午前0時 留守電の声 またいない 曖昧な君
約束はしてないけれど 何故かイライラ止まらない |
SONG by AXS:『US』
AXS/『AXS SINGLE TRACKS』より
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それから数日。蔵馬は完璧にから、無視を決め込まれていた。電話をかけても留守番電話。メールを送ってもなしのつぶて。流石にここまで徹底的に彼女から拒絶されたことがないので、蔵馬としてもほとほと困っていた。今までのパターンだと、一番ひどい時で、精々1日口をきいてくれないとかその辺りで収まっていたのだが、ここまで彼女を怒らせ、機嫌を損ねているとは蔵馬自身、思っても見なかったのだ。
「困ったなあ‥‥」
携帯を弄びながら、一人ごちる。今回の場合、原因を作ったのが自分なだけに、全面的に自分が悪い訳で。彼女の方には非がない訳で。
「‥‥全く、オレもヤキが回った、のかな?昔は、こんな事でここまで悩んだりしなかったのにね」
自嘲的な笑みを浮かべる。昔の自分なら、こっちの方から捨てるか、無理やりねじ伏せてただろう。それが出来ないのは、の存在が、そんなに軽いものでないと言う明白な証拠。
僕だって ちょっとはモテる その気なら デートも MAKE EASY
このままじゃ 他の誰かと 甘い愛を育てたいよ
だけど知ってるのさ 誰よりずっと
寂しさ言えないまま 何かを探してる事
わがままで気が強くて、意地っ張りで、気にいらない事があったら盛大に拗ねて。本当は甘えたがりで甘い言葉にはとても酔い易いのに、自分の話術と言いくるめに完全とは言えなくても対抗しうるだけの明晰さ持ちの口達者で。ある意味、すごく扱い難い娘。真面目に相手をするのは、実はすごく面倒、と言うか大変なタイプ。
「引く手あまたなのは、君だけじゃないんだけどね。」
ふと口をついて出た、本人には届かない脅しの言葉。
でも、そんな脅し文句を吐いた所で、どうしようもないのだ。その『扱い難い娘』に、自分が心底参ってしまってるのは紛れも無い事実だから。以外の誰にも代わりが勤まらないのも、自分で自覚しきってる事実。
それだから、今の状態では、謝っても聞く耳を持ってはもらえない、と言うのが目に見えていても、とにかく頭を下げ続けて、の機嫌が直り、意地を張らなくなるまで待たないと仕方がない、と言う結論に達する訳で。
「‥‥機嫌が直ったら、連絡、くれるでしょう?」
その場に居ない愛しい人への確認は、空に溶けて消えた。 |
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コメントと言う名の言い訳。
文中の斜体は『US』の歌詞を抜粋した物です。はじめにお断り。これ以降も文章中に歌詞を引用する時は、この話では斜体で書きますので、そのつもりで。
トップにもって来る時は、今まで通りで行きますが。
ようやく甘くなってきた、かな?今回は南野独白バージョン。困ってます。ええ困ってます。
そして、なつきちゃんに南野がベタ惚れなのが、もー分かり過ぎる位分かります。
ここまで惚れ込まれたら、本望でしょ?(笑)
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